多摩エリアの美容室が広告に頼らない集客で新規客を増やすには、予約サイトの外に、近所で美容室を探している人の入口をいくつ持てるかが先になります。
予約サイトをやめる話ではなく、予約サイトだけに入口を預けない、という話です。
販促の仕事で関わっている店には美容室もあり、相談を受けるたびによく出るのが「予約サイトの掲載をやめたいけれど、やめたら新規が来なくなりそうで怖い」という話です。
この記事では、府中市と周辺6市(小金井・国分寺・国立・日野・多摩・稲城)で営業している美容室に向けて、予約サイト以外の入口をどう作るかを整理します。
目次
美容室の新規集客は、なぜ予約サイト頼みになりやすいのか
まず、美容室の数から見ておきます。
厚生労働省の衛生行政報告例によると、令和6年度末の美容所は全国で277,752施設で、前の年度より3,682施設増えています。
東京都だけで28,589施設あります。
店の数が前の年度より増えている業種で、近所に同業の店が何軒もあるのは珍しいことではありません。
そのなかで新しいお客さんに見つけてもらう手段として、多くの店が使っているのが美容室向けの予約サイトです。
たとえばホットペッパービューティーの場合、掲載費は公開されておらず、店向けの案内では「ご希望のエリアやプランによって異なります」とされています。
予約サイトには、はじめての人を連れてきてくれる力があります。
ただ、相談の場でよく聞くのは、クーポンの割引で店を比べて来たお客さんが、次は別の店のクーポンを使って移っていくという話です。
掲載を続けないと新規が止まり、掲載を続けると費用が固定で出ていく。
この状態から抜けられない、という声は少なくありません。
掲載のプランを一段下げた翌月に新規の予約が減り、慌てて元に戻したという話も聞きました。
あくまで筆者の見立てですが、問題は予約サイトを使っていることではなく、ほかの入口が育っていないまま、新規のほとんどを予約サイトに頼っていることだと思います。
近所で美容室を探す人は、どこから店を見つけているのか
美容室は、家や職場の近くで選ばれることが多い業種です。
近所で探す人がまず開くのは、Googleマップのことが多いと筆者は見ています。
Googleは、地図の検索結果が「関連性」「距離」「知名度」をもとに表示されると説明しています。
距離が要素に入っている以上、家の近くで検索すれば、家の近くの美容室が地図に並びやすくなります。
地図の上では、近所の店どうしの比べ合いになるということです。
同じ市内でも、駅前の店と住宅地の店とでは、地図で見つけてもらう相手が違うと筆者は考えています。
駅前の店は通勤や買い物の途中で検索する人に、住宅地の店は家の近くで検索する人に出やすい。
自分の店がどちらの相手に向いているかで、写真やメニューの見せ方も変わってきます。
その地図の上で、店のプロフィールがどれだけ整っているかで差がつきます。
美容室の場合、相談を受けて実際に見てみると、次のどれかが抜けていることがよくあります。
- 店内の写真はあるが、仕上がりのスタイルの写真がない
- カットやカラーの料金の目安が書かれていない
- 予約の方法が電話番号しかなく、ネットで予約できる場所につながっていない
3つ目は美容室で特に困るところです。
施術中は手が離せないので、電話が鳴っても出られないという話をどの店でも聞きます。
電話しか入口がないと、地図で店を見つけてくれた人を、その場で取りこぼすことになります。
Googleビジネスプロフィールには「予約を取る」ためのリンクを追加でき、自分の店の予約ページなどにつなげられます。
地図で店を見つけた人が、その画面からそのまま予約できるかどうかを、一度お客さんと同じ手順で試してみてください。
地図で同業の店より上に出るために何を比べればいいかは、Googleマップで上位に出る店と出ない店の違いを書いた記事にまとめています。
Instagramは、新規客の入口として何を担うのか
美容室はInstagramとの相性がいい業種です。
仕上がりのスタイルを写真で見せられるので、店の雰囲気や得意な髪型が伝わりやすいからです。
ただ、スタイル写真の投稿はたくさんあるのに、どこにある店なのかが分からないアカウントをよく見かけます。
近所で美容室を探している人にとっては、場所が分からない時点で候補から外れます。
プロフィール欄に最寄り駅と予約の方法を書いておくこと、投稿に店の位置情報を付けることは、どちらも手間がかかりません。
位置情報とハッシュタグの付け方は、地域のお客さんに届くInstagramの使い方を書いた記事で整理しています。
なお、お客さんの写真を載せるときは、本人の了承を取ってからにしてください。
紹介と口コミは、どう頼めばいいのか
予約サイトに頼らない新規客の入口として、昔から強いのは紹介です。
筆者がタウン誌で美容室を取材していた頃も、長く続いている店ほど「お客さんの紹介で来る人が多い」と話していました。
紹介してくれたお客さんに次回の割引を付けるといった仕組みは、店の判断で作れます。
ここで混ぜないでほしいのが、Googleの口コミです。
Googleのポリシーでは、口コミの投稿と引き換えに割引や無料のサービスを提供することや、良い口コミを書いてくれそうなお客さんだけを選んで頼むことが禁止されています。
紹介の特典と同じ感覚で「口コミを書いてくれたら次回10%引き」とすると、この決まりに引っかかります。
口コミは特典を付けずに頼むのが基本です。
施術のあとにどう切り出すかなど、お客さんへの頼み方は別の記事で書く予定です。
店の前を通る人には、何を見せればいいのか
ネットの話が続きましたが、地域の美容室にとっては、店の前を通る人もお客さんの候補です。
駅前のビルの2階以上に入っている店や、路地を一本入った店は、前を通る人に気づかれにくくなります。
そういう店ほど、1階の入口や通りに面した場所に、何を出しておくかが効いてきます。
相談を受けたときに見るのは、通りから店の情報が読み取れるかどうかです。
店名だけの看板では、初めての人は入りにくい。
カットの料金の目安、予約が要るかどうか、ネット予約の入口へのQRコードがあると、通りがかりの人が後で調べるきっかけになります。
通りで見かけた店を、家に帰ってから検索して予約する人もいます。
そのときに地図やInstagramの情報が整っていれば、店の前を通ったことがそのまま予約につながります。
どこから手を付ければいいのか
最初にやってほしいのは、いま来ている新規のお客さんが、何を見て店を知ったかを1か月数えることです。
予約サイト、Googleマップ、Instagram、紹介、通りがかりの5つに分けて、来店時に一言聞くだけで十分です。
はじめての人に書いてもらう受付の用紙やカルテがあるなら、「当店を何で知りましたか」の欄を足しておくと、聞き忘れがなくなります。
数えてみると、予約サイトがどれくらいの割合を占めているかが分かります。
相談を受けた店でも、紹介で来ている人が思っていたより多かった、反対にInstagramから来た人はほとんどいなかった、という結果になることがあります。
それが分かれば、予約サイトの掲載プランを見直すかどうかも、感覚ではなく数字で判断できます。
あとは割合の小さい入口から、手間のかからない順に整えていきます。
筆者が関わってきた店では、Googleビジネスプロフィールの写真と予約の導線を直すところから始めることが多いです。
Googleビジネスプロフィールで追加できるリンクや口コミの決まりは、Googleのヘルプにそのまま載っています。
予約サイトの掲載条件は、各社の店舗向けの窓口で確認してください。